海外にお金を持って行く方法の一つとして便利なのがキャッシュパスポート。旅行なら現金やクレジットカードがあれば十分と思いがちですが、海外旅行で恐いのが「盗難」。
ニュージーランドは比較的安全とは言われていますが、全てがそうではありません。特にオークランドやクライストチャーチなどの都市部では盗難や強盗が多く、その約9割が未解決と言われています。
盗難被害発生件数の上位は次の通り。
オークランド – 34,555 件 クライストチャーチ – 8,824 件 ハミルトン – 5,232 件
以下、ロトルア、ファンガレイ、ヘイスティングス、ウエリントンの順に続く。引用:在オークランド総領事館
上記は2015年度の1年間に起きた盗難被害発生件数です。在オークランド総領事館の情報からも、盗難被害の深刻さが伺えます。
いくら気をつけていても、友達と楽しんでいる間のちょっとした気の緩みから盗難に遭うという話もよく聞きます。もし、現金もクレジットカードも盗難に遭ってしまったらせっかくの旅行が台無しですよね。
そこで便利で安全なのがキャッシュパスポートです。カードは事前に入金するタイプのプリペイドカードで、万一盗難に遭った場合はカードを止めることができますし、間に合わなかったとしても被害が最低限で済みます。
今回はそんなキャッシュパスポートのメリットやデメリットについて詳しく解説していきます。
Contents
キャッシュパスポートとは?

キャッシュパスポートは事前に入金するタイプのプリペイドカード。取扱い通貨は米ドル、豪ドル、NZドル、カナダドル、ユーロ、ポンド、日本円の7通貨で、世界210以上の国や地域のマスターカード加盟店で使うことができます。
(上記以外の通貨でも、カード内で自動で両替が行われるため利用可)
ただし、キャッシュパスポートの公式サイトにて以下の国は利用できないとのことです。
イラン、北朝鮮、シリア及びクリミア
また、日本国内では利用できないので注意が必要です。
それでは、キャッシュパスポートのメリットとデメリットを紹介していきます。
キャッシュパスポートのデメリット
まずはデメリットから紹介します。
引き出し手数料がかかる
公式サイトにはニュージーランドでのATM引出し手数料は2.75ドル(200円強)と記載されていますが、これはキャッシュパスポート利用にかかる手数料であって、別途利用するATM自体の手数料がかかるので注意が必用です。
僕はニュージーランドではなくタイ旅行に行った時利用しましたが、その時のATM自体の手数料が約200円だったので、合算すると約400円。1回引き出す毎に合計400円前後の手数料が発生するので注意が必用です。
1年に1度も利用しないと管理手数料がかかる
1年に1度も使わないでいると翌年から管理手数料(月額150円)が発生します。つまり1年に1回は海外に行かないといけないことになります(日本では使えないため)。
ただし、残高が150円未満の場合は手数料が取られずに口座だけは残るので、帰国後しばらく使う予定がない方は帰国前に使い切るかカードの精算をしましょう。
入金時手数料・為替手数料が高い
これはキャッシュパスポートの大きなデメリットかもしれません。
一般的に外貨に両替する際には取引毎に手数料が発生します。例えば、インターネット上に出ているレートが1ドル=80円でも、実際に両替すると手数料が上乗せされて1ドル=8◯円になったりします。
この差額が手数料に該当しますが、キャッシュパスポートに入金する際にかかる手数料が結構高いんですね。僕が入金した時では、1ドル当たりの手数料で4円前後は掛かったと思います。
公式サイトを確認すると、入金手数料で1%、為替手数料で4%と、合計5%の手数料が掛かるのです。クレジットカード利用だと2〜3%前後が相場。
つまり、5万円を入金すると手数料だけで2,500円も掛かってしまうのです(ちなみに現地の銀行で5万円両替すると約3,500円掛かるので、現金両替よりは安いです)。
以上、先にデメリットをご紹介しましたが、これを見ただけでも申込みする気が失せてしまうかもしれませんねw
いや、それでも僕は申込みましたよ。なぜなら、次に紹介するメリットが大きかったからです。
キャッシュパスポートのメリット
現金を持ち歩かなくても良い
僕がキャッシュパスポートを申込んだ最大の理由がこれです。
というのも、ニュージーランドは想像以上にスリや盗難、強盗の被害が多く、特に日本人含むアジア人は盗みのターゲットにされてしまう確率が非常に高いと言われています。
どれくらい多いかというと、日本の実に8倍近く!つまり、日本よりも8倍の確率で盗難に遭いやすいということになるのです。
もし、自分の貴重品が盗まれてしまい、その中に多額の現金が入っていたらショックですよね。そう考えただけで、現金を持ち歩くのは恐いという事に気付くでしょう。
そこで、キャッシュパスポートがあれば余分な現金を持ち歩く必用がないですし、必用になればその分だけATMから引き出せるので精神的に安心していられます。
また、あまりメジャーではないものの未だにスキミングの被害が起きているのも事実。もし使ったのがクレジットカードでスキミングされていたとしたら、使われている頃にはもう手遅れです。
カードは止められても、一度に何十万円という身に覚えのない高額請求をされるハメになってしまします。その点、キャッシュパスポートであれば入金した分しか使えないので、万が一スキミングに遭っも被害を最小限に抑えることができます。
両替手数料はかかるものの、やはり背に腹は代えられないので、保険料を払っていると思えば安いものです。
スペアカードが付属している
キャッシュパスポートのようなプリペイドカードは他にも何種類かありますが、このキャッシュパスポートにしかない最大の特徴は予備のスペアカードカードが付いていること。
もし万が一、メインのキャッシュパスポートが紛失してしまったり盗難に遭ってしまっても、メインのカードを止めている間にスペアカードを利用できるので、安心して旅行やワーホリを継続することができます。
ただし、その際はメインカードとスペアカードは別々に持ち歩く必用がありますよ。
入金した時にレートが決まる
クレジットカードはカードを使用した時点のレートが適用される場合が多いですが、キャッシュパスポートは入金した時点のレートが反映されます。
例えば10万円をニュージーランドドルに替える場合、レートが1円違うだけでも約1,500円の差が出てしまいます。レートの良い円高の時期を狙って両替しておけば、手数料を差し引いても得をする場合があります。
クレジットカードの場合だと、使った時点でのレートが反映されるので、場合によってはキャッシュパスポートの方が得する場合があります。
ただし、キャッシュパスポートへ入金する際の両替手数料が結構高いので、ぶっちゃけ言うと余程の超円安にでもならない限りはクレジットカードの方がお得です。
こんな人にお勧め!
キャッシュパスポートはプリペイドカードとしても便利に使えますが、最大のメリットは多額の現金を持ち歩かなくて良い事と万が一の時の被害を最小限に抑えられる事。
以上の点を考慮すると、旅行者や短期留学の方へ特にお勧めです。というのも、長期留学生やワーホリメーカーは現地で銀行口座を開設するため、支払いは基本的に銀行口座のキャッシュカード(EFTPOSカード)になるから。
旅行者や短期留学生の場合だと支払いは基本的に現金かクレジットカードに限られ、どちらもリスクがあるので、そのリスクを最小限に減らす対策としてキャッシュパスポートが非常に有効なのです。
ただし、長期留学生やワーホリメーカーの中にもキャッシュカードやクレジットカードが盗まれてしまったなんていう事例もあります。特にキャッシュカードを盗まれてしまうと再発行に時間がかかり、その間の生活費などが賄えなくなってしまう恐れがあるので、予備としてキャッシュパスポートを持っておく事をぜひお勧めします。
キャッシュパスポートの申込み方法

続いて、キャッシュパスポートの具体的な申し込みの手順をご紹介します。申し込みは下記のページから行えます。
STEP 1 カードの選択・渡航先情報の入力
上記サイトから申込みフォームへ行き、カードの種類の選択と渡航先情報等を入力していきます。カードは普通のキャッシュパスポートとTポイント付きキャッシュパスポートの2種類から選べます。頻繁に使う方はTポイント付きの方がお得でしょう。

入力が完了したら次へ進みます。
STEP 2 お客様情報の入力
続いて、お客様情報を下記のように入力していきます。

途中、母親の旧姓を入力する欄がありますが、ここは半角英大文字入力なので注意しましょう。


個人情報の入力が完了したら、次へ進みます。
STEP 3 内容確認・申込み完了
入力内容の確認画面が出るので、間違いがなければ画面下へスクロールします。

2箇所の同意欄にチェックして申込みは完了です。

申込み完了から1週間前後で本人限定受取郵便の到着通知が届くので、その通知と身分証明書を持って郵便局へカードを受け取りに行く必要があります。
郵便局でのカード保管期限は10日なので、通知が来たら早めに受取りに行きましょう。
キャッシュパスポートへの入金方法

入金はゆうちょ銀行や都市・地方銀行、インターネットバンクからできます。入金方法は公式ホームページのキャッシュパスポートへの入金方法をご参照下さい。
画像下の様にゆうちょ銀行やその他銀行、ネットバンク等で方法が異なるので、自分に合った方法で入金しましょう。

僕の感覚だと、5万円くらい入金しておけば十分でしょう。万が一の生活費の足しにもなりますし。
まとめ
以上、キャッシュパスポートの特徴から申込み方法までをご紹介しました。僕も当初、ニュージーランドは安全だろうと油断しまくりでした。しかし、滞在中にある友達がパスポートと財布を盗まれたり、また別の友達がバックパックごと盗まれたりと身近で被害が起きている現状にショックを受けました。こういう盗難が日常茶飯事に起きているという事を心に刻み、日本でしっかりと準備を整えてからニュージーランド旅行を楽しみましょう。
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