お金をカードにチャージすることで加盟店でそのままクレジットカードのように使えたり、必要な時に現金を下ろすことができるプリペイドカード。
海外送金が簡単にできるのはもちろん、より安全にお金を持っていく方法として多くの留学生やワーホリメーカーの方がプリペイドカードを利用しています。
そんなプリペイドカードも今は10種類近くあり、どのプリペイドカードが良いのか悩ましいですよね。
そこで今回は主要プリペイドカード3種を厳選して、それぞれの特徴やあなたの留学先・ワーホリ先に合ったプリペイドカードの選び方をご紹介します。
Contents
海外プリペイドカードの8つのメリット

審査なし、中高生でも簡単に作ることができる
クレジットカードは18歳以上でないと作れなかったり、審査が必要だったりと何かとハードルが高いですよね。
ところが、プリペイドカードは審査は一切必要ありません。
プリペイドカードによっては年齢制限がないものもあるので、未成年でも簡単に作ることができます。
現地の銀行口座が不要
海外留学する場合、生活費や留学資金を送金するために現地の銀行口座が必要なのでは?と考える方も多いでしょう。
しかし、海外プリペイドカードの場合、現地の銀行口座は一切不要です。
指定されたプリペイドカード専用の口座に入金しておくだけで、いつでも現地のATMで現金を引き出すことができます。
留学中のお子さんへの送金手段として使える
長期留学になると生活費が足りなくなることもしばしばあります。
例えば、ホームステイ先のファミリーと急遽一緒に旅行へ行ったり、語学学校の友達とパーティーを開いたりなど、留学中は予定外の出費がつきものです。
そんな時、親からの資金サポートがあればどれだけ心強いことでしょうか。
(ぼくも親からサポートしてもらった子として実感しています)
プリペイドカードは事前に振込人の登録をしておけば、日本の銀行やATM、インターネットバンキングからいつでも送金することができるので便利です。
送金手数料がお得
プリペイドカードの送金手数料は一般的な海外送金の手数料に比べてかなりお得です。
では、実際にどれくらいの差があるのでしょうか。
以下の2通りの方法でオーストラリアに30万円を送金する場合の手数料を比較してみました。
- 日本の銀行(UFJ)からオーストラリアの銀行に送金
- 手数料が最も安い「マネパカード」で送金(AUDとしてチャージ)
【UFJ銀行で30万円を送金】
- 送金手数料(窓口):4,500円
- 外貨取扱手数料:2,500円
- 為替手数料(UFJの為替レート適用):約7,000円
- 現地銀行での着金手数料:約2,000円
手数料合計:約16,000円
※三菱UFJ銀行の1AUD当たりの為替手数料を2円として計算(2018年5月現在)
【マネパカードで30万円を送金】
- プリペイド専用口座への振込手数料:約500円
- 為替手数料(マネパカードの為替レート適用):約3,000円
手数料合計:約3,500円
※マネパカードの1AUD当たりの為替手数料を0.8円として計算(2018年5月現在)
なんと手数料だけで約13,000円もの差があることが分かりました。
現地銀行への海外送金は、一度の送金ごとに高額な手数料がかかるため、手数料節約のために数百万円単位でまとめて送らなければならなくなります。
ところがプリペイドカードは海外送金とは違い、国内にあるプリペイドカード専用口座に振り込むだけです。
振込手数料はATMや窓口、インターネットバンキングによって異なりますが、せいぜい数百円程度です。
また、チャージ手数料は無料(中には1%のカードもあり)、さらに対応通貨にチャージしておけば現金の引き出しはATM手数料(200円)のみなので大変お得です。
これなら頻繁に海外送金しても経済的負担は大きくありませんね。
お金の使い過ぎを防ぐことができる
プリペイドカードは入金した分のお金しか使うことができないので、クレジットカードのように使い過ぎてしまう心配がありません。
基本的には現金と同じ感覚なので、「あといくら残っているか」と危機意識を持ちながら使えるのがメリットです。
インターネットで利用履歴がわかる
プリペイドカードは利用履歴をリアルタイムで確認することができます。
未成年の利用の場合でも、親御さんがチェックしやすいので安心です。
また、万一スキミング被害に遭っても、利用履歴からすぐに気付くことができるので対策もしやすいです。
多額の現金を持ち歩かなくて済む
海外留学で最も気をつけたいのが盗難です。
もし財布に多額の現金を入れていて、それを盗まれてしまったら・・・
財布が見つかったとしても現金はほぼ100%返ってこないでしょう。
プリペイドカードであれば現金代わりとして利用できる上に、盗難に遭った時点ですぐに利用停止できるので安心です。
海外でのショッピングで利用できる
プリペイドカードについている国際ブランド(VISA、MasterCard)の加盟店であれば、プリペイドカードを使って買い物することができます。
現金を使わなくても良いのでラクですし、防犯にもなります。
海外プリペイドカードの4つのデメリット

為替手数料(クロスボーダー手数料)が割高
プリペイドカードのデメリットの一つに手数料の高さがあります。
特に注目したいのが為替手数料(クロスボーダー手数料)の高さで、どのプリペイドも3〜4%と高めです。
例えば、米ドル⇒ユーロ、豪ドル⇒NZドルのようにチャージした通貨を別の通貨で出金したい場合はこのクロスボーダー手数料(3〜4%)が上乗せされます。
色んな国を旅行する方はこの手数料がかかってしまうのがデメリットです。
逆に、チャージした通貨の国に長期間いる場合はクロスボーダー手数料がかからないので、留学やワーホリの方は便利かもしれません。
チャージ残高がないと使えない
クレジットカードとは違い、チャージした分しか使えないプリペイドカード。
安全である反面、いざという時に残高がなければお金が無いのと同じ。
その場で決済することができません。
チャージ残高に注意しながら使う必要があります。
オンライン決済ができない場合がある
プリペイドカードはホテル・バックパッカーズの予約や航空チケットの購入など、オンライン決済に対応していない場合があります。
お店やサービスによっては支払いはクレジットカードのみだった、なんてこともあるので事前に確認しておきましょう。
オンラインショッピングについては国内・海外で使えるもの、海外のみで使えるもの、全く使えないものとカードにより異なります。
不正利用に対する被害額の補償がない
残念ながら、海外プリペイドカードには不正利用に対する補償がありません。
カードの盗難に気付いたらすぐにネットから利用停止をする必要があります。
利用停止後のチャージ残高は補償されます。
おすすめプリペイドカード3種の徹底比較
キャッシュパスポートの中でも主要なブランドを3種類厳選し、各カードの特徴を比較してみました。
プリペイドカードの比較表
キャシュパスポート |
マネパカード |
|
---|---|---|
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年齢制限 なし |
年齢制限 15歳以上 |
年齢制限 なし |
年会費 無料 (1年間取引ない場合 以降150円/月) |
年会費 無料 |
年会費 無料 |
ブランド MasterCard |
ブランド MasterCard |
ブランド VISA |
取扱通貨 米ドル 英ポンド ユーロ 豪ドル 香港ドル NZドル カナダドル シンガポールドル 日本円 |
取扱通貨 米ドル 英ポンド ユーロ 豪ドル 香港ドル 日本円 |
取扱通貨 日本円 |
ATM手数料 2米ドル 1.5英ポンド 1.75ユーロ 2.5豪ドル 14香港ドル 2.75NZドル 2カナダドル 2.5SGドル 200円 |
ATM手数料 2米ドル 1.5英ポンド 1.75ユーロ 2.5豪ドル 20香港ドル 200円 |
ATM手数料 200円 |
チャージ手数料 入金金額の1% |
チャージ手数料 無料 |
チャージ手数料 無料 |
クロスボーダー手数料 4% (チャージ通貨以外で決済した場合) |
クロスボーダー手数料 3% (チャージ通貨以外で決済した場合) |
クロスボーダー手数料 ー |
カード再発行手数料 無料 |
カード再発行手数料 1,080円 |
カード再発行手数料 540円 |
払い戻し手数料 540円 |
払い戻し手数料 540円 |
払い戻し手数料 540円 |
スペアカード あり |
スペアカード なし |
スペアカード なし |
本人以外のチャージ 可 (委任状が必要) |
本人以外のチャージ 不可 |
本人以外のチャージ 可 (委任状が必要) |
日本国内での利用 不可 |
日本国内での利用 可 |
日本国内での利用 不可 |
1.キャッシュパスポート

プリペイドカードの中でも特に人気のあるブランドがキャッシュパスポート(MasterCard)です。
入会費、年会費が無料で年齢制限もないため、どなたでも気軽に作ることができます。
取扱通貨の数も最多で、日本を除き8カ国の通貨にチャージすることができます。
他のプリペイドカードにはない、NZドルやカナダドルの取扱いもあります。
さらに、スペアカードも付属しているので、万が一盗難・紛失しても再発行を待たずにすぐ使うことができます。
チャージ手数料が1%かかる、日本国内での利用ができないなどデメリットはありますが、初めての1枚には最適のプリペイドカードでしょう。
2.マネパカード

プリペイドカードの中でも最も手数料が安いのがマネパカード(MasterCard)です。
チャージ手数料は無料、クロスボーダー手数料は3%と主要プリペイドカードの中では最も安いです。
また、海外だけでなく日本でも使えるので、帰国後に残った金額を国内でのショッピング代に回すこともできます。
しかし、マネパカードの難点として自分名義以外の口座からはチャージできないことです。家族からお子さんへの直接送金はできないので不便です。
ただし、海外にいても日本のインターネットバンキングが利用できれば、オンラインで自分名義の口座からマネパカードへチャージすることは可能です。
家族がいったんお子さんのネットバンキング口座に送金し、あとは本人が自分でチャージすることで間接的な海外送金が可能になります。
取扱通貨の中にNZドルとカナダドルがありませんが、米ドルにチャージすれば使えますし、手数料も為替レート+クロスボーダー手数料3%なので両替所よりは断然お得です。
3.MoneyT Global

大手旅行会社のJTBが運営する海外プリペイドカード「MoneyT Global」。
3つのカードの中では唯一、国際ブランドがVISAであるプリペイドカードです。
世界40都市にあるJTBトラベルデスクが利用できるのは大きなメリット。
また、メール登録すればカードの利用をリアルタイムでお知らせしてくれたり、日本にいる間に外貨両替しておきたい場合はWebで申し込んで自宅で外貨を受け取れるなどの便利なサービスもあります。
ただし、日本国内では使えないため海外利用のみとなります。
また、日本円のみのチャージとなるため、海外で使う場合は必ず為替手数料(国により異なる)が上乗せされます。
とはいうものの、国によっては手数料がマネパカードに次いで安いのでキャッシュパスポートやマネパカード(どちらもMasterCard)の予備として最適なカードでしょう。
プリペイドカードを選ぶ4つのポイント

取扱通貨の種類の多さで選ぶ
取扱通貨は多ければ多いに越したことはありません。
自分の行く国の通貨をチャージしておけば、引き出す際に為替手数料がかからないからです。
取扱通貨の多さで選ぶならキャッシュパスポートが最もおすすめです。
手数料の安さで選ぶ
持っていく金額が大きければ大きいほど、たった1%の違いでも手数料に大きな差が出ます。
特に何十万円、百万円単位で送金する方は、より手数料の安いプリペイドカードがおすすめです。
手数料の安さなら断トツでマネパカードがおすすめ。
カナダ、ニュージーランドに対応していないのは残念ですが、オーストラリアやアメリカ圏、ヨーロッパ圏に行くなら迷わずマネパカードでしょう。
セキュリティ面の高さで選ぶ
カードの利用で心配なのがスキミングです。
特にカード社会の海外ではいつ何時スキミングされるか分かりません。
そこで、スキミング対策に有効なのがICチップ付きカードです。
100%とは言い切れませんが、ICチップ付きであればスキミング&偽造防止に有効です。
上記3社はどれもICチップ付きのカードになります。
日本国内でも利用できるかで選ぶ
海外で余った残高分が日本でも利用できたら便利ですよね。
余った残高は払い戻しが可能ですが、540円の手数料がかかります。
何十万円とかなら払い戻しもアリですが、数千円くらいなら使い切ってしまった方がお得です。
帰国後、しばらく日本にいるという方は日本でも利用できるプリペイドカードがおすすめです。
キャッシュパスポートやMoneyT Globalは海外でしか利用できないため、払い戻すか留学中に使い切る必要があります。
あなたにピッタリの海外プリペイドカードは?

ここまで、プリペイドカードの特徴をご紹介してきましたが、どのカードを持っていくべきか悩む方も多いと思います。
そこで、渡航先に合わせたおすすめのプリペイドカードの組み合わせを考えてみました。
■ニュージーランド、カナダへ行く方
→キャッシュパスポート(MasterCard)+MoneyT Global(VISA)
■オーストラリア、アメリカ圏、ヨーロッパ圏に行く方
→マネパカード(MasterCard)+MoneyT Global(VISA)
メインのプリペイドカードは「キャッシュパスポート」か「マネパカード」にして、VISA用の予備で「MoneyT Global」を持っておくと安心です。
ワーホリの方も予備でプリペイドカードを1枚持っておくと安心です。
ぼくはニュージーランドのワーホリで、楽天カード、エポスカードに加えて、キャッシュパスポートを持っていきました。

プリペイドカードのチャージ方法

プリペイドカードへのチャージするには、チャージ専用の口座に振込む必要があります。
振込み方法は基本的に以下の3通りです。
- 銀行窓口での振込み
- ATMでの振込み
- インターネットバンキングでの振込み
キャッシュパスポートの場合は通貨ごとに口座が異なります。
9通貨の中でチャージしたい通貨の口座に日本円を振込むことでチャージが反映されます。
マネパカードの場合はまず、専用口座に日本円を振込みます。
ただし、そのままでは使えないので、会員ページにログインして外貨に両替&チャージする必要があります。
マネパカードはカナダドルとNZドルがありませんが、この場合は米ドルに両替&チャージしておけばOKです。
MoneyT Globalは日本円でしかチャージできないので、専用の口座に振込めばOKです。
プリペイドカードを使う際の注意点

プリペイドカードで現金を引き出す際は、各プリペイドカードの国際ブランド対応のATMを利用します。
(国際ブランドがMasterCardならMasterCard対応のATM、VISAならVISA対応のATM)
現金引き出しの際は設定、もしくはカード作成時に初期設定された4桁の暗証番号を入力する必要があります。
複数回以上間違えるとカードが吸い込まれてしまう恐れがあるので、絶対忘れないようにしましょう。
手数料は国によって違いますが、日本円でおおよそ200円前後です。
また、プリペイドカードはVISA、もしくはMasterCardのブランドに対応した飲食店・ショッピングセンターなどでも利用できます。
ショッピング等で利用する際も4桁の暗証番号の入力が必要です。
大きい店舗なら問題ありませんが、ちょっと怪しげな店舗でカードを使う場合はスキミング等に注意しましょう。
ICチップ付きであればよっぽど大丈夫ですが、念のためこまめに会員ページにログインして残高・履歴を確認すると良いですよ。
各プリペイドカードには24時間対応の専用電話窓口があるので、困ったことが起きたら各プリペイドカード会社の電話窓口に相談しましょう。
まとめ
以上、海外プリペイドカードのメリット・デメリットと活用方法をご紹介しました。
プリペイドカードについて一通りおさらいしておくと、
- 中高生でも簡単に作ることができる
- 多額の現金を持ち歩かなくて良いので安全
- 送金手数料がお得
- お金の使いすぎを防止できる
- カードによっては為替手数料が割高
- オンライン決済ができない場合がある
- 不正利用に対する補償がない
など良い面も悪い面もあることがわかりました。
最後に、ぼくから一つ言えることがあるとするなら「何事も備えあれば憂いなし」です。
海外では本当に何が起こるか分かりません。ぼくがワーホリ中だったころも、周りの人たちが次々とトラブルに遭うのを目撃してきました。
そう考えると、備え過ぎるくらいがちょうど良いのかもしれません。
留学する方はもちろん、ワーホリの方も予備としてプリペイドカードは持っておくことをおすすめします。