自然豊かで優しい人が多い国、ニュージーランド。
きっと皆さんはこのようなイメージをニュージーランドに対して持っているのではないでしょうか。
もちろん、1年3ヶ月ニュージーランドでワーホリしてこのイメージは事実でしたし、とても良い国で僕は大好きです。そんなニュージーランドの良い所を紹介していくのがこのブログのモットーでもあります。
しかし、ニュージーランドには良い面ばかりではなく、当然悪い面も存在します。そのうちの一つとして今回取り上げるのが人種差別。
僕もワーホリ中に何度か嫌な思いをした事があります。今回は実際に僕が受けた人種差別の話も踏まえ、こうした事実もあるよという事をお伝えしたいと思います。
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ニュージーランドは人種差別が少ない国だと言われているが…

ニュージーランドは英語圏の国の中で一番人種差別が少ない国と言われています。
その理由の一つは、ニュージーランドが多民族国家であること。お互いの異文化を受け入れ合うという精神が根付いているためか、人種差別も少ない傾向にあるんですね。そういう意味では、同じく多民族国家のカナダも少ない傾向にあると言われています。
しかし、人種差別が少ないものの、ない訳ではありません。少なからず、どこかしらで人種差別は起きているのです。
実際にある新聞社がニュージーランドで人種差別を受けたことがあるかどうか?のアンケートを実施。
約10,000人が回答し、約40%の人が「差別を受けたことがある」と回答しています。更には、「差別を目撃したことがある」人も40%近くいるというのです。
人種差別が少ないと言われているのにも関わらず、約80%の人が人種差別を経験もしくは目撃しているのです。
実際に僕もワーホリ中に何度か嫌な思いをしました。もちろん、石を投げられたり暴行されたりといった事はありませんでしたが、言葉や態度で示される事が多い印象でした。
もちろん、時と場所を選べば治安も比較的良く良い国なのですが、こういう裏の側面もあるよという事だけお伝えしたく今回記事を書くに至りました。
以下、実際に僕がワーホリ中に体験した人種差別で印象に残っているものを2件ご紹介しておきます。
僕がNZワーホリ中に体験した人種差別


スーパーのレジでの対応にて
これはテプケのスーパー、Countdownで買い物をした時の出来事。
レジでの対応が明らかに塩対応だった事が気になりました。
でも、ただ塩対応だけだったら人種差別になるとは限りません。ニュージーランドのスーパーの接客は無愛想な事が多いので。
しかし、この時は状況が違いました。ちょうど僕の前に並んでいるニュージーランド人がレジ対応をしてもらっている時、レジの店員(女性)は明らかに笑顔で接客していました。
声のトーンも高く、見ているこちらも気持ちいと感じる接客でした。
そして、いよいよ僕の番が来たと思ったら、その女性店員の態度が一変。顔が無表情になり、声のトーンは急に低く、ほぼ無言でレジ打ちしてきたのです。
さすがに、これほどあからさまに違う対応をされると不快感を通り越して、逆に「爽快感」を感じるほど(笑)
そして僕のターンが終わり、後ろに並んでいたニュージーランド人には元の笑顔で接客していました。
これが差別というものか!と初めて実感した出来事でしたね。
バックパッカーズの受付けにて
これは僕が北島ヘースティングズでアコモデーションを探していた時のこと。
あるバックパッカーズ(以下、Eロッジと略称)の受付けに空きがあるか友達と一緒に尋ねに行きました。その時、受付には僕らの前に1人、後ろに1人待っている状態でした。
10分程待ってようやく前の人の受付が終わり、僕らの番がやってきたと思ったら、Eロッジの受付担当(オーナー)は何を思ったか、僕らの後ろに並んでいる人達に声を掛け始めたのです。
僕らが先なんですが?
的な事を言ってみたものの、
すぐ終わりそうな件だからちょっと待ってて
と言われたので、そういう事ならと思い待つことにしました。
結局これも10分ほどかかり、ようやく僕らの出番かと思いきや、更に新しい人がやってきて、オーナーは僕らに目もくれずに後から来た人の要件をうかがっていました。
タイミング悪く、その間も次々と新しい人が並び始め、僕らは完全後回し状態。しかも、来る人来る人みな西洋人なので、これは明らかにおかしいと思いましたね。
文句言いたいけど、上手く英語話せなかったので、その時はもう怒りと悔しさでいっぱいでした。
結局、1時間ほど待たされてようやく受付けすることができました。
NZで人種差別が多い街・少ない街

人種差別に不安を感じる方なら一つ気がかりに感じる事があると思います。それが、人種差別が多い街とそうでない街。
確かに、ニュージーランドには人種差別の多い少ないはあります。
まず、人種差別が最も多いと言われている街がクライストチャーチ。
クライストチャーチは過去に大きな地震があった影響もあり、職を失った人が多いと聞きます。そのためか、昼間から酒を飲んで騒いでいる若者や中年の人が多いそう。
そして、こういう人達による人種差別が後を絶たないんだとか。
よくあるのが、車から卵や石を投げつけたり、アジア人に対して暴言を言い放っていったり。また、酷いと夜に集団暴行なんてこともあるそうです。
治安が良くないと言われているオークランドでも無いわけではありませんが、オークランドは割りと多民族が住む一種の国際タウンで観光客も多いためか、クライストチャーチほどではないと聞きます。
次に、人種差別が最も少ないと言われている街がクイーンズタウン。
市内の人口は約1万5千人ですが、ここクイーンズタウンはNZ有数の観光地で、世界中から観光客がやってくるため肌の色が違うとか英語が出来るとかは気にされません。
また、クイーンズタウンは一部の賢い白人がコントロールしており、彼らが行政を決定し街の治安を守っているのです。クイーンズタウンは観光地ゆえ、観光客からの収入で成り立っていると言っても過言ではない街。
そんな街で人種差別があろうものなら大問題です。
観光客にとって居心地の良い街づくりに全力を挙げているからこそ、人種差別は起きにくいのですね。
もちろん、多いからといって差別に遭うとは限りませんし、逆に少ないからといって遭わないとも限りません。あくまで、遭う確率が高いか低いかという問題です。
ただ、やはり時と場所は大事なのも確か。旅行にせよワーホリにせよ、どこに行きたいかは人それぞれ違うと思いますが、ここはあまり寄らない方が良いと言われている場所があるのも事実。
楽しいニュージーランドライフ、旅行にするためにも事前にしっかり下調べしておいた方が良いでしょう。
それでもニュージーランド人は良い人が多い

これまで、ニュージーランドの人種差別について取り上げてきましたが、今回のような差別はほんの一握りの人によるもの。ニュージーランドには親切で優しい人が本当に多いです。
僕が車の故障で立ち往生している時に見ず知らずのNZ人男性が助けてくれたり、スーパーの駐車場でタイヤのチェックしてたら隣のおじさんが「車の調子は大丈夫?」と声かけてくれたり。
他にも、頼まれたら面倒な事も嫌な顔ひとつせずに引き受けてくれたり、まるで自分の家族のように親身になってくれるニュージーランド人の温かさには本当に何度も救われました。
もちろん、中には嫌な人もいるでしょう。でも、僕はそんな嫌な側面をはるかに上回るほどニュージーランド人の人の良さが好きです。
今回は人種差別という負の側面を話題に取り上げたため、中には不安に感じた方もいるでしょう。
でも、よく考えると日本も同じように人種差別があるのではないでしょうか。差別どころか、現代はいじめが深刻な問題として取り上げられています。
どこの国でも良い面があれば悪い面も付き物。良い面ばかりにとらわれるのではなく、悪い面も受け入れることで本当の意味でニュージーランド生活を楽しめるのではないかと思いますよ。