ワーキングホリデー、通称ワーホリと言えば滞在期間中に仕事も留学も旅行も全て出来るビザのことですよね。
言ってしまえば、1年間という与えられた期間に自分の好きな事を自由にできる、まさに究極のビザなのです。
つまり、ワーホリだから語学学校行かなきゃとか仕事しなきゃと言った制約なんて一切ないですし、極端な話1年間何もせずにのんびりと過ごしても良いわけです。
でも、僕は1年3ヶ月のワーホリ期間中の、実に8ヶ月間は仕事をして過ごしました。
もしお金を稼ぐ必用に迫られているのなら別ですが、僕はそれほどお金には困っていなかったので、正直働く必用など無かったのです。
それにも関わらず、仕事嫌いな僕がワーホリ期間の半数以上を仕事で過ごすとは思ってもみませんでした。
では、なぜ僕がワーホリに来てまで仕事をするという選択をしたのでしょうか。今回は、僕のワーホリの仕事観についてお話していきたいと思います。
僕が日本の会社を辞めた理由

僕は大学院を卒業後、地元の大手自動車部品メーカーに就職しました。
でも、わずか3年足らずで退職し、ニュージーランドへ旅立ちました。
自分で言うのもなんですが、会社の給料はかなり良く、休みもちゃんともらえる、いわゆるホワイト企業だったので周囲からは「もったいない」だの散々言われました(笑)
それでも、会社を辞めてワーホリに行ったのには以下の理由があります。
- 単純に仕事が嫌い
- 人間関係が面倒くさい
- 働く目的を見失った
旗から見たら「はぁっ!?」って思うような理由でしょう。でも、当時の僕にとっては辞めるのには十分過ぎるくらいの理由でした。
まず、僕がなぜ仕事が嫌いかというと、「仕事=嫌々やらされる」という印象が強いからです。
そもそも仕事って、大半の方にとってはお金を稼ぐための手段でしょう。
もちろん、お金を稼ぐためならどんな仕事でも良いという訳ではなく、各々得意な分野を選んで就職していると思います。
でも、得意な分野だからと言って自分のやりたい仕事をやらせてもらえるとは限りませんし、どちらかと言ったら会社の命令で動かされることになるでしょう。
それが自分にとって楽しければ良いのですが、時にはやりたくもない仕事をやらなければならない時ってありますよね。だからと言って、「嫌です」と断ることもできない。
わがままかもしれませんが、僕は単純にこうした会社の風潮や人間関係が好きでなかったのかもしれません。
これからの人生を、週5日間は仕事をしなければならない、と考えただけで吐き気がしそうです(笑)
そして、会社を辞めた最大の理由が「働く目的」を見失ったこと。
今まで、高校、大学と進学していくなかで将来は普通に就職するものだと信じて疑いませんでした。しかし、いざ就職してみると、何のために就職して働いているのか、その目的を見い出せませんでした。
もちろん、お金を稼ぐためではあるのですが、では何のためにお金を稼ぐ必用があるのかさえ分からなくなってきたのです。
お金を稼ぐためなら、別に就職しなくても別の方法もあるんじゃないか。
どうせお金を稼ぐなら、もっと楽に楽しく稼ぎたい。
いつしかそう思うようになり、会社に在籍中に様々な方法を模索しました。
そこで行き着いたのが、海外で仕事も留学も遊びも自由にできる「ワーキングホリデー」という制度でした。
仕事を辞めニートをしてみて気付いたこと

僕がワーホリに行くと決めてから半年後の12月、ついに仕事を辞めました。
仕事を辞める時ってものすごい覚悟がいるものだと思っていましたが、僕は案外すんなり辞めることができました。
さて、晴れて仕事を辞めた訳ですが、辞めた途端に僕はニートになりました(笑)
まぁ、ワーホリ行く準備とかもしていたので説得力無いかもしれませんが、12月に会社を辞めてから3月のキウイフルーツパッキングの仕事まで、実質何一つ仕事というものをしていません。
正真正銘のニートですww
ところで、ニートって自由そうで良いですよね。毎日仕事に追われている人にとっては羨ましく感じるでしょうし、僕が仕事をしていた当時も「ニート羨ま〜!」なんて思っていましたから。
ええ、確かに自由で良いです。特に会社を辞めた翌日なんかは自由の素晴らしさを1日中謳歌していました(笑)
もう、何も縛るものはない!!自由だー!!
どうせなら、このまま一生自由がいいな〜。そうだ、働かずにお金を稼げるビジネスをやれば一生自由だ!とまで思っていました。
しかし、1週間が経過すると自由にも飽きてくるんですね。1日中ほとんどやることが無いので退屈。そして、日を追う毎に曜日感覚すらなくなってくる。
人間、退屈になるとしょーもない事を考え始めるんです。
同期の奴らは今頃頑張って仕事しているのに、俺って何やってんだろう…
やっぱり仕事続けていた方がよかったかな…
これから合コンとか誘わて、職業聞かれたらどうしよう…
結局、俺って何のために生きているんだろうか?
考える事といったらネガティブな事ばかり。
結局、僕は何か仕事をしないと朽ちていく人間だなと改めて思いました。
あれほどニートは良いな!と思っていましたが、長期間ニートを経験してみて逆に辛い事が分かりました。
ニートするより仕事をしていた方が断然、精神的に楽だなと感じました。まぁ、職種にもよりますが。
ニートは世間が思っているほど甘いものではありませんよww
僕がワーホリで仕事をした本当の理由

2016年1月12日、晴れて僕のワーホリ生活がスタートしました。
ワーホリ期間中は何をしようが自由の身。当時、僕には200万円くらいの貯金があったので、慎ましく暮せば働かなくても食べていけるレベルでした。
しかし、今回のワーホリで僕が最も楽しみにしていたのが「仕事」です。
え、仕事嫌いだったんじゃないの!?と突っ込まれそうですねww
日本の仕事が嫌いだったから辞めたのに、ワーホリ来てまた仕事がしたいって矛盾しているように思いますね。
でも、僕が楽しみにしていたのは仕事そのものではなく、仕事を通して得られる充実感、そして人間関係なのです。
僕がワーホリ中に就いた仕事はどれもファーム系の仕事で、ワーカーのほとんどは海外からやってくるワーホリメーカーです。
一番最初に就いた仕事はキウイフルーツのパッキングですが、とにかく国際色豊かで実に20カ国近くにのぼります。
当然、そこでは様々な出会いがあります。友達としての出会いもあるでしょうし、中には恋人としての出会いもあるでしょう。
もちろん、仕事以外でも交流や出会いのチャンスはありますが、やはり仕事で出会った仲間が一番仲良くなれます。
正直、仕事それ自体は大変です。長時間労働でクタクタになる日もありました。
でも、大変だからこそ得られる充実感がありますし、同じ時間を共有する仲間ともより仲良くなれるのです。
彼らとはプライベートでも頻繁に遊びに出かけたり、パーティーしたりと、本当に楽しいひとときを過ごしてきました。
結局何が言いたいのかというと、人生を充実させるための最も重要なファクターは人との繋がりです。
例えお金と自由があったとしても、人との繋がりが無かったら本当に味気ない人生になってしまうでしょう。
それと一緒で、もし僕がワーホリで仕事をしていなかったらこれほどまでに楽しく充実した日々を送れなかったでしょう。
仕事は人生を充実させるためのツール

今まで、僕はつくづく仕事が嫌いだと思っていました。
社会人になる前は、今後一生分の時間を会社に捧げなければならないと思うだけでゾッとしましたし、社会人になってからは毎日会社に行くのが憂鬱でした。
でも、会社を辞めてから気付いたことがあります。
それは、どんな嫌いな仕事でも、間違いなく日々を充実させてくれているということ。
例え、どんなに嫌な仕事でもそこには必ず人との繋がりがありますし、仕事を通して人間的に成長していく喜びも実感できるでしょう。
そして、帰宅後の風呂が気持ちよく感じたり、夜ご飯やビールが美味しく感じるのは仕事があってこそです。
もちろん、僕はストレスを貯めて仕事をするくらいなら辞めてもいいんじゃない!?というスタンスなので、辞める辞めないに正解不正解はないでしょう。
ただ、辞める理由が単に「自由が欲しいから」というのであれば、後々辞めた事を後悔するかもしれません。
目的なき自由の先に得られるのは退屈な日々。
人って何かをしていないとどんどん枯れていってしまうんですね。その何かは色んな方法がありますが、最も身近で取り組みやすいのは仕事ではないでしょうか。
もちろん、生活の基盤を築くために仕事をしている方のほうが多いと思いますが、それ以上に仕事は人生をより充実させるツールでもあるのです。
仕事をしていると「小さな幸せ」でも深く味わう事ができるようになります。例えば、仕事後のお風呂やビールもそうですし、週末の休みや家族や恋人、友達との時間。
仕事をして疲れたからこそ食べ物・飲み物がより美味しく感じられますし、自由時間が限られるからこそ家族や恋人、友人との時間をより有意義に過ごせるのです。
元々、僕もただ「自由が欲しいから」といって会社を辞めた訳ですが、ニュージーランドで改めて仕事に就いてみて、やはり仕事をしていた方がプライベートも充実して楽しかったですね。
もちろん、仕事も楽しい方が良いに決まっています。一番良いのは好きな仕事をしながらプライベートも充実させる事。
僕は今、このようなライフスタイルの実現に向けて動いています。
仕事も楽しいしプライベートも楽しいなんて最高じゃないですか。近い将来、このようなライフスタイの実現を目指す仲間が増えると嬉しいですね。